2024年(2025年発表) | |
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部門 | 受賞者 |
作品賞 (ベストテン1位) |
「夜明けのすべて」
![]() 前々年の「ケイコ 目を澄ませて」に続いて三宅唱監督の作品が1位に選ばれた。監督賞、主演男優賞、読者選出1位も獲得。 社会に順応しきれない男女2人の日常を切り取った静かな秀作。16ミリフィルム撮影により、ふだん見落としてしまいがちな人間社会のやさしい空気感が繊細に表現されている。 一般観客も批評家も年間最高級の評価を与えた。大げさな演出やありがちな展開に頼ることなく、映画ならではの奥行きのある物語の魅力を幅広い世代に伝えた。社会的テーマ性も豊か。商業的にも成功した。 <2位以下> 2位:「ナミビアの砂漠」 3位:「悪は存在しない」 4位:「ぼくのお日さま」 :「Cloud クラウド」 6位:「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 7位:「ルックバック」 8位:「青春ジャック 止められるか俺たちを2」 9位:「ラストマイル」 10位:「あんのこと」 ※歴代の作品賞▼ |
主演男優賞 |
松村北斗(ほくと)
「夜明けのすべて」 ![]() パニック障害を抱える青年役。芝居をしていると感じさせない自然体の演技が秀逸だった。周りの空気を読んでいないかに見える職場での不愛想な立ち振る舞いや、少し打ち解けてきた同僚に対するさりげない気づかいぶりなど、日常の機微をデリケートに表現。作品の世界観と見事に一体化し、物語の説得力と魅力を高めた。 <2位以下> 2位(同点で2人) 藤竜也 山口馬木也 4位(同点で2人) 池松壮亮 岡山天音 草彅剛 永瀬正敏 横浜流星 9位:吉沢亮 ※歴代の主演男優賞→ |
主演女優賞 |
河合優実(ゆうみ)
「ナミビアの砂漠」「あんのこと」 ![]() 28票の大量得票で、2位に21票差をつけた。本年度の邦画の中で最高級の評価を得た2本で、いずれも唯一無二のキャラクター造形に成功した。同じくキネ旬ベストテンに入った「ルックバック」(アニメ)でも声優として主役を担当。 <2位以下> 2位:江口のりこ 3位:上白石萌音 4位(同点で2人) 石原さとみ 満島ひかり 6位:森田想 7位:草笛光子 ※歴代の主演女優賞→ |
助演男優賞 |
池松壮亮(そうすけ)
「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」 ![]() 「ぼくのお日さま」でやさしい眼差しが印象的なフィギュアスケート・コーチを演じた。光を生かした独特のカメラワークによる美しい作品世界に溶け込んだ。 <2位以下> 2位:藤竜也 3位(同点で2人) 大沢たかお 佐藤二郎 5位(同点で2人) 内野聖陽 仲野太賀 ※歴代の助演男優賞→ |
助演女優賞 |
忍足亜希子(おしだり・あきこ)
「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 ![]() ろう者の母親役。息子に対する優しい眼差しに、涙腺崩壊者が続出した。表情、後ろ姿、手話の動きなどで母性的な優しさや寂しさを観客に伝え、想起させる。世代や立場を越えて大勢の心に強く残り得る普遍的な名演。ろう者の登場人物を全てろう者の俳優が演じた本作の成功の象徴でもある。キネ旬ベストテンで助演女優賞を受賞。 作品自体も絶賛され、キネ旬ベストテン6位に。 <2位以下> 2位:カルーセル麻紀 3位:芋生悠 4位(同点で4人) 黒木華 小泉今日子 根岸季衣 森田想 ※歴代の助演女優賞→ |
監督賞 |
三宅唱
「夜明けのすべて」 ![]() ![]() 国内インデペンデント映画界の俊英。前作「ケイコ 目を澄ませて」(2022年キネ旬ベスト1位)に続いて年間賞レースのトップを走った。 |
読者選出 日本映画1位 |
「夜明けのすべて」
![]() <2位以下> 2位:「侍タイムスリッパー」 3位:「悪は存在しない」 4位:「あんのこと」 5位:「ミッシング」 6位:「ラストマイル」 7位:「ぼくのお日さま」 8位:「ルックバック」 9位:「碁盤斬り」 10位:「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 |
読者選出 日本映画監督賞 |
三宅唱
「夜明けのすべて」 ![]() ![]() |
脚本賞 |
野木亜紀子
「ラストマイル」 ![]() |
新人男優賞 |
越山敬達(こしやま・けいたつ)
「ぼくのお日さま」 ![]() <2位以下> 2位:齋藤潤 3位:羽村仁成 4位:大美賀均 5位(同点で4人) 加納土 倉本朋幸 原田琥之佑 日高由起刀 |
新人女優賞 |
中西希亜良(きあら)
「ぼくのお日さま」 ![]() <2位以下> 2位:早瀬憩(いこい) 3位:星乃あんな 4位:鞘師里保(さやし・りほ) 5位(同点で3人) 近藤華 西川怜 山本奈衣瑠 |
文化映画1位 |
「正義の行方」
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外国映画1位 |
「オッペンハイマー」
![]() <2位以下> 2位:「瞳をとじて」 3位:「関心領域」 4位:「哀れなるものたち」 5位:「ファースト・カウ」 6位:「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」 7位:「シビルウォー アメリカ最後の日」 8位:「落下の解剖学」 9位:「夜の外側 イタリアを震撼させた55日」 10位:「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 |
読者選出 外国映画1位 |
「オッペンハイマー」
![]() <2位以下> 2位:「哀れなるものたち」 3位:「関心領域」 4位:「シビルウォー アメリカ最後の日」 5位:「ホールドオーバーズ」 6位:「落下の解剖学」 7位:「瞳をとじて」 8位:「ソウルの春」 9位:「デューン砂の惑星 パート2」 10位:「マッドマックス:フュリオサ」 |
外国映画監督賞 |
クリストファー・ノーラン 「オッペンハイマー」 ![]() |